本業務は、富士宮市上条地内ほかにおいて橋梁補修設計を行ったものである。業務対象橋梁は、(主)清水富士宮線の上精橋と(主)富士川身延線の初音橋の2橋である。平成28年度の橋梁点検結果を参考に詳細調査を実施し、必要に応じた橋梁補修及び架け替え設計を検討することで施設の適切な維持管理及び長寿命化を図ることが目的である。
各橋梁について詳細調査を行い、損傷における発生原因の究明および損傷の進行性を把握し、補修の必要性を検討した。調査は、詳細な目視調査に加え、中性化試験(ドリル法)を行った。
詳細調査の結果、両橋ともに上部工において中性化が進行していることが判明した。RC床版は鉄筋のかぶり厚が薄く、水切りの不備などによるコンクリート部材へ水の供給による損傷が確認できた。外観上の変状劣化が加速的に進行し、構造物の機能に支障が生じる可能性が高く早期に措置を必要とする段階であると推測した。
これらの状況を鑑み、剥離、鉄筋露出、うき、摩耗箇所において断面修復工(左官工法)、RC床版への表面含侵材塗布工法、上部工下面への水回りを止水するための水切り工を選定し、報告書、設計図面、電算帳票作成を行い成果を取りまとめた。